「話を聞きに来る人」を「買いに来る人」に変える技術。成約率2.3倍を導く「成功の擬似体験」とは?

「個別相談には来てくれるけれど、最後の一歩で断られてしまう」

そんな悩みを抱える多くの起業家や事業者は、成約率を上げようと「営業トーク」や「クロージング術」を磨きがちです。しかし、実は勝負は個別相談の前ですでに決まっています。

例えば、ある英会話コーチの方は、相談当日の資料を一切変えることなく、成約率を2.3倍に跳ね上げました。今回変えたのは、顧客が個別相談に訪れる前の「心の状態」でした。

成約率2.3倍。相談者が「ほぼ購入を決めている」状態へ

英会話の個別コーチングを販売するこの方は、広告から個別相談へ誘導するファネルを運用していましたが、成約率に課題を抱えていました。そこで、登録(オプトイン)から個別相談までの間に「お客様との対談動画」を見せるステップを追加したところ、成約率が2.3倍に向上するという成果を叩き出したのです。

「冷めた状態」で個別相談に来る見込み客への苦しい提案

以前は、広告を見て少し興味を持った見込み客が、そのまま個別相談に申し込んでいました。そのため、当日の温度感は「とりあえず話だけ聞いてみよう」という状態に留まっていました。この状態では、どれだけ上手にサービスを案内しても、成約に繋げることは難しかったのです。

決定的な「期待値」と「確信」の不足

成約率を左右するのは、当日の提案力ではなく「相談前の期待値」です。

「この人なら変えてくれる」という強い期待を持って来る人と、半信半疑で来る人とでは、同じ説明を聞いても受け取り方が全く異なります。これまでは、この期待値を高めるプロセスが欠落していたことが、成約を妨げる最大の要因となっていました。

自分と重ね合わせる「お客様対談動画」の導入

そこで導入したのが、サービスを体験して成功した「既存の顧客」との対談動画でした。

単なる成功報告ではなく、見込み客と同じ境遇(例:中学英語で挫折した経験など)を持つ人が、どのように変化したかをリアルに語る動画を事前に届けるようにしたのです。

これにより、見込み客は相談前に「自分もこうなれるかもしれない」という強烈な希望を持つようになります。

その結果…

個別相談が「説得の場」から「確認の場」へ

この施策により、個別相談の成約率は2.3倍へと飛躍。さらに、個別相談への誘導率自体も向上しました 。事前に動画を見た顧客は、すでに心の中で購入を検討している状態で個別相談に来るため、当日の相談は「細かい不明点の確認」をする場へと変わり、スムーズな成約が実現したのです。

【独自考察】成功の要因は「擬似体験」を提供したこと

人は「サービス」ではなく「自分もできるという期待や確信」を買う

なぜ、たった数本の動画でこれほどまでに成約率が変わるのでしょうか。私は、この成功の本質は、顧客に「成功の擬似体験」を提供したことにあると考えます。

  1. 「やりたい」と「できる」の間の深い溝
    個別相談に来る見込み客は、「英語を話せるようになりたい(やりたい)」とは思っています。しかし同時に、「でも、自分には無理かもしれない」という不安も抱えています。人が高額な決断をできない最大の理由は、サービスの質を疑っているからではなく、「自分自身の可能性」を信じきれていないからです。
  2. 動画が埋める「私にもできる」という期待と確信
    自分と同じ悩みや挫折を経験した人が、笑顔で成功を語る姿(対談動画)を見ることで、見込み客の脳内では「この人にできたなら、私にもできるはずだ」という感覚が生まれます。これは、他人の成功を自分のことのように疑似体験するプロセスであり、見込み客は動画を通じて「自分への期待と自信」が高まっている状態になります。
  3. 営業マンではなく「伴走者」としてのポジション
    事前に「お客様との対談動画」を送ることは、「私はすごい」と自慢することではありません。「あなたと同じ悩みを持っていた○○さんも、こう変わりました」と、顧客の痛みに寄り添う姿勢を示すことです。この共感のプロセスがあるからこそ、見込み客はあなたを「売り手」ではなく、自分の未来を変えてくれる「理解者」として信頼してくれるのです。

【応用編】あなたのビジネスで「期待値」を最大化する3ステップ

個別相談の成約を"必然"にする仕掛け

この動画戦略は、あらゆる対面販売に応用可能です。

  • ステップ1:見込み客の「痛み」を代弁する対談を撮る
    成功の秘訣は、動画の冒頭で「どれだけ苦しかったか(ビフォー)」を深く語ってもらうことです。見込み客が「これは私のことだ!」と叫びたくなるような共感ポイントを特定しましょう。
  • ステップ2:悩み別に動画を「仕分け」する
    「初心者向け」「時間がない人向け」など、見込み客の属性に合わせて最適な動画を見せる仕組みを作ります。相手に適切な成功事例を届けることで、共感度は最大化されます。
  • ステップ3:個別相談前に「予習」を促すメッセージを送る
    ただ動画を送るのではなく、「あなたの悩みを解決する道がここにあります」と、視聴するメリットを明確に伝えます。顧客が動画を視聴し、期待値が高まった瞬間に個別相談を申し込める導線を整えてください。
成約率は「準備」が9割

2026年現在、デジタル社会のなか、情報は溢れ、見込み客はかつてないほど慎重になっています。だからこそ、個別相談の当日だけで心を動かそうとするのは無理があります。

大切なのは、見込み客があなたと会う前に、すでに「期待」と「確信」を手にしている状態を作ることです。お客様との対談動画は、見込み客の心と商品・サービスの架け橋になってくれます。個別相談が始まった瞬間、見込み客が「待ってました!」と希望が高まる。そんなセールスプレゼンは、たった数本の動画から始まるのです。

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