口コミは後日お願いしない。工事が終わったその場で一声かけて、口コミを200件集めたアンテナ工事会社の話
テレビが映らない。ネットがつながらない。
困って業者を呼び、工事が終わって画面が映った瞬間、人はほっとします。そのほっとした瞬間を逃さなかったことで、業界の常識を大きく超える口コミを集めた会社があります。
アンテナ工事・住宅設備業界では、口コミが10件程度というのが一般的です。その中で、あるアンテナ工事会社は200件もの口コミを獲得しています。
特別なツールは使っていない

特別なツールや仕組みを導入したわけではありません。やったのは、工事完了後のたった一言の声かけを徹底したことだけです。
「それだけ?」と思われるかもしれません。ただ、口コミを増やしたい会社の多くがやっている方法とは、お願いするタイミングがまったく違います。
後日のお願いは、なぜ書いてもらえないのか

口コミを増やしたいと考えるビジネスオーナーの多くは、後日LINEやメールで「よろしければ口コミをお願いします」とメッセージを送ります。しかしこの方法では、なかなか書いてもらえないのが現実です。
満足度は、一定ではない
理由は、口コミの書いてもらいやすさがお願いするタイミングで大きく変わるからです。
人の満足度は、ずっと同じ高さにあるわけではありません。サービスを申し込んだ瞬間に一度上がり、時間とともに落ち着いていきます。そして実際にサービスを受けた瞬間に、もう一度ピークを迎えます。その後は、時間が経つにつれて少しずつ下がっていきます。
元ネタはこれを、ディズニーランドにたとえています。入場した瞬間のテンションが高く、アトラクションに乗るたびに興奮が戻ってくる。それと同じ原理です。
メッセージが届く頃には、落ち着いている
つまり、口コミをお願いするのにいちばん良いタイミングは、サービスが完了した直後です。満足度が最高潮に達している瞬間です。
後日メッセージでお願いする頃には、その感動はすでに落ち着いています。感動が冷める前にその場でお願いするから、書いてもらいやすい。しかも気持ちが高まった状態で書かれるので、内容も自然と熱のこもったものになりやすいのです。
工事が終わった瞬間に、作業員が一声かける
このアンテナ工事会社がやったのは、工事完了直後に、作業員が口頭で口コミをお願いすることです。
テレビが映らない、ネットがつながらないという困った状況が、工事で無事に解決した瞬間。お客様の安堵と喜びがいちばん大きいそのタイミングで、こう一声かけます。
もしよろしければ口コミをご協力いただけると嬉しいです
あわせて、QRコードと投稿手順を書いた口コミカードを手渡します。お客様がその場ですぐに書ける導線まで、用意しておいたわけです。

整えたのは「人・タイミング・導線」の3点
特別なシステムも高額なツールも使っていません。伝える人、タイミング、導線。この3点を整えただけで、業界では異常値ともいえる200件の口コミを獲得しています。
【独自考察】仕組みに任せた瞬間に、熱が冷める
頼むのは、工事をした本人
元ネタが強調しているのは、口コミのお願いを「仕組み任せ」にしないことです。
後日のLINEやメールに切り替えるのは手軽です。自動で送れますし、現場の手間もかかりません。ただ、感動が薄れた状態でのお願いになるので、効果は大きく落ちます。現場でサービスを提供したスタッフが、完了した瞬間に自分の口から直接お願いする。これがいちばん効果的だと元ネタは述べています。
弊社もこの点に同意します。お客様にとって、自分の家の屋根に上がってくれた人は「業者さん」ではなく、目の前で困りごとを解決してくれた人です。その人に頼まれるから、書こうと思えるのだと考えています。

最初の数回は、勇気がいる
とはいえ、職人や作業員の方にとって、お客様に「口コミをお願いします」と言うのは慣れない行動です。元ネタも、最初は少し勇気がいるかもしれないと認めています。
そのうえで、一度習慣にしてしまえば自然にできるようになる、と書いています。だからこそ、お願いする言葉を先に決めておくことに意味があります。言葉が決まっていれば、毎回考えずに口にできます。
お礼や割引と引き換えにしない
ひとつ付け加えるなら、口コミのお願いはお願いだけにとどめるほうがよいと弊社は考えています。割引や景品と引き換えに口コミを書いてもらう方法は、掲載先のルールで認められていないことがあります(ナレッジ外の一般情報です。使う掲載先の規約をご確認ください)。元ネタの方法も、声をかけてカードを渡すだけです。何かと引き換えにはしていません。
【応用編】「解決した瞬間」は、どの仕事にもある

この方法は、アンテナ工事に限りません。自社の仕事で、お客様の満足がいちばん高くなる瞬間はいつか。そこを探すところから始めます。元ネタは次の3つを挙げています。
リフォーム・内装業なら、工事完了後に施主に仕上がりを確認してもらった直後に、口コミカードを手渡す。
整体・治療院なら、施術後に「体が楽になりましたか?」と確認し、喜んでもらえた瞬間に口コミをお願いする。
出張料理・ケータリングなら、料理を出して「おいしい」と言ってもらえたその場で、口コミの投稿をお願いする。
始めるときの3つの手順
1つ目に、サービス完了直後に口頭でお願いする言葉を決めて、スタッフ全員で統一します。2つ目に、QRコードと投稿手順を書いた口コミカードを作り、現場に持っていきます。3つ目に、サービスが完了するたびに必ずお願いする習慣を、チーム全体に定着させます。
どれも、お金のかかる準備ではありません。必要なのは、決めた言葉を毎回口にすることだけです。
その一言を、いつ言っていますか
口コミが集まらないとき、まず考えるのは仕組みやツールかもしれません。自動で送れるメッセージ、口コミを集めるサービス、キャンペーン。
このアンテナ工事会社が変えたのは、お願いするタイミングと、お願いする人でした。工事が終わり、困りごとが解決した瞬間に、工事をした本人が一声かける。
自社では、お客様がいちばん喜んでいる瞬間に、誰が何を言っているでしょうか。