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売れ筋の定番色を、店頭の主役から外した。赤や柄物を前に出して、平均来店客数が118%になったアパレル店の話

いちばん目立つ場所に、いちばん売れる商品を置く。

お店を営む人なら、ごく自然な考え方です。あるアパレル店でも、売れ筋である黒・白・ネイビーなどの定番色を店頭の前面に並べるのが当たり前になっていました。

ところが、この並べ方では、お店の印象が無難にまとまりすぎてしまい、通りを歩く人の足を止めにくい状態でした。

店頭の色を変えて、平均来店客数が118%に

店頭に目立つ色や柄物を置いて、平均来店客数が118%に

そこでこの店は、あえて目立つ色や柄物を店頭のディスプレイに使いました。すると店内への興味を引き出せるようになり、平均来店客数が118%まで伸びました。

見直したのは、通りから最初に見える場所に何を置くかです。

「売れるもの」と「目を引くもの」は違う

店頭に定番色を並べた場合と、目立つ色や柄物を並べた場合の比較

見慣れた色は、印象に残りにくい

このノウハウのポイントは、「売れるもの」と「目を引くもの」は必ずしも同じではないという点です。

売れ筋をそろえること自体は大切です。ただ、店の前を通る人にとって、黒や白、ネイビーといった定番色は見慣れているぶん、印象に残りにくいことがあります。

「ほかにも何かありそう」と思わせる

一方で、赤・緑・紫などのカラーアイテムや、少し個性的な柄物が見えると、「この店、ほかにも面白い商品がありそう」「定番以外の選択肢もありそう」と感じてもらいやすくなります。

つまり、店頭ディスプレイの役割は、その場で売ることだけではありません。まず入店したくなる理由をつくることにあるのです。

通路から最初に見える場所を入れ替えた

実際に行ったことは、とてもシンプルです。

それまで店頭の目立つ場所には、売れ筋の定番色の商品を並べていました。そこをあえて見直し、通路から最初に見えるマネキンや前面の棚に、赤やグリーンなどの目立つ色の服、少し特徴のある柄物、印象に残りやすいアイテムを置きました。

店頭のディスプレイを見て立ち止まる通行人と、前面棚に柄物を並べる手元

派手な商品を売りたいわけではない

ここで大切なのは、「派手な商品を売りたいから前に出す」のではないことです。お店の存在に気づいてもらい、入店のきっかけをつくるために前に出す。そういう考え方です。

店の中に入れば、定番色や売れ筋もしっかりそろっています。店頭では興味を引き、店内では安心して選んでもらう。この流れができたことが、来店客数の伸びにつながりました。

【独自考察】店頭は、売り場ではなく入口

売れ筋を下げるのではなく、置き場所を分ける

この事例を「売れ筋を店頭から外した話」と読むと、少しずれます。売れ筋は店内にきちんと残しています。変えたのは、店頭と店内で役割を分けたことです。

店頭は、まだお店に入っていない人に向けた場所。店内は、入ってきた人が選ぶ場所。見る人が違うのだから、置くものも違っていい。弊社はこの事例をそう理解しています。

売れるものと、目を引くものは同じではない

奇抜にしすぎない

元ネタは、店頭を「奇抜すぎる印象」にしないことも実践のポイントに挙げています。目立てば何でもいいわけではなく、「気になる」「ちょっと見てみたい」と思わせるバランスが大切です。

店頭があまりに派手だと、「自分向けの店ではない」と思われてしまうおそれもあります。普段使いの服を探している人が、入ってみようと思える程度の意外性。そのさじ加減は、実際に反応を見ながら決めるしかないと考えています。

通りの向こうから、自分の店を見てみる

毎日店に立っていると、店頭がどう見えているかに気づきにくくなります。一度、通りの向こう側から自分の店の写真を撮ってみることをおすすめします(弊社の見解です)。通りを歩く人に何が見えているのか、そこに足を止める理由があるのかが分かります。

比べるなら、同じ曜日・同じ時間帯で

店頭を変えた効果を確かめるとき、来店数は天気や曜日、近くのイベントでも大きく動きます。元ネタも、通行量の多い時間帯や曜日で反応を見ながら入れ替えると書いています。

弊社としては、変える前の数週間の来店数を曜日ごとに控えておき、変えたあとも同じ曜日・同じ時間帯どうしで比べることをおすすめします。あわせて、店の前で足を止めた人の数を短い時間だけ数えてみると、来店数より早く反応が分かります。どちらも特別な道具は要りません。

【応用編】アパレル以外の「店頭」

店頭商品を見直す、目立つ商品を前に出す、来店反応を比べるの3つの手順

これはアパレルだけの話ではありません。元ネタは次の3つを挙げています。

飲食店:定番より変わり種のメニューを店頭で打ち出す。定番メニューをそのまま見せるより、少し意外性のある一品や季節感のある商品を見せたほうが、「ほかに何があるんだろう」と興味を持たれやすくなります。

雑貨店:季節感のある物を入口に置く。

美容室:個性的な施術事例を店頭に掲示する。

一部から試して、反応を比べる

進め方は3つです。まず店頭の商品を見直す。次に、目立つ商品を前に出す。そして、来店の反応を比べる。

いきなり全部を変える必要はありません。元ネタも、まずは一部の陳列から試して、来店数や立ち止まる人の変化を観察すると取り組みやすいと書いています。前面だけ変えて終わりにせず、通行量の多い時間帯や曜日で反応を見ながら、見せる商品を少しずつ入れ替えると効果が高まりやすくなります。

店の前を通る人には、何が見えていますか

来店客数を増やしたいとき、まず考えるのは広告やチラシかもしれません。

このアパレル店が変えたのは、通りから最初に見えるマネキンと前面の棚でした。売れ筋の定番色は店の中で選んでもらい、店頭には足を止めるきっかけになる色と柄を置く。それで平均来店客数は118%になりました。

自社の店頭に置いてあるのは、いちばん売れるものでしょうか。それとも、いちばん入りたくなるものでしょうか。

ADwith株式会社 代表 西川将吾
ADwith株式会社 代表 西川 将吾

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