1回目で取れていたのは10%だった。同じセールスレターを3回送っただけで成約率26%になったポスティング会社の話
広告やDMを送って反応がないとき、次に考えるのは内容の改善です。
見出しを変える。オファーを強くする。デザインを整える。どれも正しい打ち手です。
ただ、その前に確かめるべきことがあります。その広告は、そもそも相手に見られたのでしょうか。
成約率26%。やったのは、同じ手紙を3回送ることだった

あるポスティング会社が、新規顧客の獲得にセールスレターを使っていました。地域のチラシを扱っている会社へ郵送する、という方法です。
結果は成約率26%。これは問い合わせ率ではなく、契約に至った割合です。
1回目で取れていたのは、10%だった
この数字の内訳が重要です。1回目のセールスレターで成約したのは、10%程度でした。
残りは、2回目と3回目で積み上がっています。同じ手紙を、時期をずらして3回送った。それだけで10%が26%になりました。
内容を書き直したわけではありません。
人は、広告を見ていない

広告やマーケティングの大前提として、押さえておきたいことがあります。
人は広告を見ない。多くの人は、広告を作って送れば、あるいは公開すれば、相手が見てくれると思い込んでいます。しかし現実は違います。どんなに優れた内容でも、1回送っただけでは見てもらえない可能性が高い。
保険の更新連絡が、5〜6回来る理由
分かりやすい例が、自動車保険の更新連絡です。
満期の3ヶ月前に、最初の連絡が来ます。しかしメールで届くため、見落とすことがよくあります。1日に100通以上メールを受け取る人なら、重要な連絡でも埋もれます。
だからこそ保険会社は何度も送ってきます。「満期まであと2ヶ月」「あと1ヶ月」「あと半月」「あと1週間」。5〜6回も届きます。これだけ繰り返されれば、どこかのタイミングで必ず目に留まります。
もし3ヶ月前の1回だけだったら、それを見逃した人は気づかずに保険が切れてしまうでしょう。保険会社はそれを知っているから、何度も送るのです。
見ていない人と、タイミングが合わなかった人
1回目で反応しなかった90%は、内容を読んで断ったわけではありません。
見ていないか、そのときはタイミングが合わなかったかのどちらかです。2回目と3回目を送ることで、最初は見逃していた人にも、1回目は必要性を感じなかったが状況が変わった人にも届きます。
同じものを、少しだけ文言を変えて送る
実際の送り方はこうです。1通目と同じセールスレターを、時期をずらして2通目、3通目として送ります。
全文を書き直すのではなく、冒頭に一言だけ足します。
先日お送りした内容、ご確認いただけましたでしょうか。
2度お送りしましたがご返信がないため、お気づきでない可能性を考え、最後にもう1度だけお送りします。
その結果…
3回の合計で、成約率は26%になった
なお、このセールスレターには強いオファーも添えられていました。新規のお客様は何枚依頼しても1,000枚分の料金で試せる、という条件です。品質を確かめてもらうための設計でした。
内容とオファーが効いていたのは事実です。ただ、それを届ける回数が1回のままなら、成果は10%で止まっていました。
【独自考察】反応がないことと、断られたことは違う
この事例で一番大事なのは、反応がなかった相手をどう解釈するかだと考えています。
90%は「ノー」と言っていない
1回送って反応がなかったとき、多くの会社はその相手を見込みなしと判断します。リストから外し、次のリストを探しにいく。
しかしこの事例では、その90%の中から追加で16%が契約しています。つまり彼らは断っていたのではなく、まだ判断していなかった。
反応がないことを拒否と読み替えると、最も安く獲得できる相手を自分で手放すことになります。
改善よりも先に、回数を確かめる
もうひとつは打ち手の順番です。
反応が出ないとき、内容の改善に向かうのが自然な発想です。しかし内容を直しても、届いていなければ結果は変わりません。1回しか送っていないなら、改善する前に2回目を送った方が早い。
コストで考えても、新しいリストを開拓するより、既に送った相手にもう一度送る方が安く済みます。
【応用編】3回に分けて、それぞれ何を書くか

同じ内容を3回送るとき、冒頭の一言だけを変えます。
1通目:通常のセールスレター
本題をそのまま送ります。ここで反応する相手は、内容とタイミングが合った層です。
2通目:確認を促す
「先日お送りした内容、ご確認いただけましたでしょうか」から始めます。見落としていた相手に、もう一度読む機会を渡す役割です。本文は1通目と同じで構いません。
3通目:これが最後だと伝える
「2度お送りしましたがご返信がないため、お気づきでない可能性を考え、最後にもう1度だけお送りします」。最後だと明示することで、判断を後回しにしていた相手が動きます。
DMでもメールでも同じ
この考え方は郵送に限りません。
- メール:同じ案内を、件名だけ変えて3回に分けて送る
- DM:封筒の色や差出人の見せ方を変えて、同じ内容を3回届ける
- 営業:1回の提案で終わらせず、同じ提案を時期をずらして持ち込む
大切なのは、2回目3回目を「催促」ではなく「見落としているかもしれないという配慮」として書くことです。
1回送って終わりにしていないか
DMを送る。メールでアプローチする。多くの場合、1回送ったところで終わります。
しかし1回目で見てもらえているのは、全体の一部にすぎません。内容を磨く前に、届ける回数を増やす方が効く場面があります。
直近で反応がなかったリストは、本当に「ノー」だったのでしょうか。