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「今すぐ申し込み」の手前に診断を1つ挟んだ。集客コストが3分の1になっても成約率が落ちなかった脳トレ教室の話

広告の集客コストを下げたい。多くの会社がまず取り組むテーマです。

ただ、ここには知られたジレンマがあります。コストを下げると、その分だけ見込み客の質も下がる。安く集まるようになったのに成約率が落ち、最終的な顧客獲得コストは変わらない。むしろ高くなることさえあります。

沖縄で子ども向けの脳トレ教室を運営する会社は、このジレンマを回避しました。集客コストを3分の1にしながら、成約率は落としていません。

CPAは3,000円から1,000円台へ。成約率は80〜90%のまま

LPに診断コンテンツを導入し、CPAが約3,000円から1,000円台へ、成約率は80〜90%を維持した

この教室は長らく同じランディングページを使っており、顧客獲得単価(CPA)は約3,000円で推移していました。

そこから1,000円台まで下がり、集客コストは3分の1になります。特筆すべきは、その後の成約率が80〜90%のまま変わらなかったことです。安く集めた分だけ質が落ちる、という現象が起きませんでした。

LPに足したのは「診断」だった

やったことは、ランディングページに診断コンテンツを導入することです。

ファーストビューで、こう投げかけます。「お子さんが勉強してもなかなか伸びないのは、読解力不足が原因かもしれません」。そのうえで「簡易読解力診断をLINEで受けてみませんか?」という導線を置きました。

診断を受けたい親がLINEに登録し、診断を通じて読解力の重要性を理解する。読解力がなければ、文章は読めても内容が理解できず、当然問題も解けない。逆に読解力があればこう変わる。その流れの中で、教室の必要性が自然に伝わります。

「登録する理由」が変わると、集まる人が変わる

特典目的の登録は関心が低いまま集まるが、診断目的の登録は自分の状態を知りたい人だけが集まる

人は、自分の状態を知りたい

診断が強く働くのは、人間の基本的な欲求に触れているからです。

人は「自分がどういう状態にあるかを知りたい」という欲求を持っています。特に「なんとなく気になっているけれど、自分では確かめられない」ことに対しては、答えを示してくれるものに強く反応します。

この教室が選んだテーマは「お子さんの読解力が不足しているかもしれない」でした。親が薄々気にしていて、しかし自分では測れない。診断の対象として理想的です。

診断目的で登録した人は、関心が高い

ここが集客コストと質を両立させた仕組みです。

クーポンや特典を目的にした登録では、サービスへの関心が低い人も混ざります。しかし診断を受けたいという動機で登録した人は、その時点ですでに悩みを自覚しています。登録のハードルは低いのに、集まってくる人の関心は高い。この状態が作れたため、CPAだけが下がりました。

子ども部屋の学習机と、ノートに書く手元

その結果…

顧客獲得単価は約3,000円から1,000円台へ。成約率は80〜90%を維持し、実質的な顧客獲得コストが3分の1になりました。

【独自考察】診断は、不安を「測れるもの」に変える装置

言葉になっていない不安は、行動につながらない

この事例で重要だと考えたのは、診断が果たしている役割です。

親は「うちの子は勉強しても伸びない」と感じています。ただ、その原因が何なのかは分かっていません。原因が分からない不安は、モヤモヤとして残るだけで、具体的な行動になりません。

診断は、そのモヤモヤに「読解力」という名前を与えます。測れる対象になった瞬間、不安は課題に変わり、解決する手段を探し始めます。集客の入口としてだけでなく、購買の理由そのものを作っている点が、この手法の強さです。

名前のなかった不安が、測れる課題に変わる。だから人は動く

効くのは、恐れや不安に近いテーマ

もうひとつ注目したのは、診断テーマの選び方です。

この手法は業種を選びません。男性用のフェイシャルソープでは「あなたの顔はどのくらい皮脂が出ているか」という診断が使われています。同じ発想で、中年男性向けに加齢臭の診断を用意すれば、多くの人が受けたくなるはずです。周囲は気を遣って本当のことを言ってくれない。だから自分では分からない。

共通しているのは、少し怖くて、確かめたくて、でも自力では確かめられないことという点です。単に「あなたに合うタイプは?」という軽い診断では、この強さは出ません。

【応用編】診断コンテンツを作る3ステップ

気になるが自分では確かめられない悩みを特定し、診断コンテンツを設計し、結果からサービスへつなぐ手順

1. 「気になるが自分では確かめられない悩み」を書き出す

見込み客が薄々感じていて、しかし自分では判定できないことを探します。ここの選定がすべてを決めます。軽い興味ではなく、確かめるのが少し怖いくらいのテーマが理想です。

2. 診断の入口を、できる限り軽くする

「LINE登録するだけ」「3分で完了」など、始めるまでの手数を減らします。診断そのものが目的なので、そこへ到達する障害は全部取り除きます。

3. 診断結果から自社サービスへ自然につなぐ

結果を見た人が「だからこのサービスが必要なんだ」と自分で理解できる流れを作ります。ここが押しつけがましくなると、集めた関心が無駄になります。

他業種での例

美容やスキンケアなら「肌タイプ診断」「皮脂・乾燥度チェック」。治療院なら「姿勢の歪み診断」「生活習慣チェック」。学習塾や資格スクールなら「学力診断」「苦手科目チェック」「向いている資格診断」。

いずれも、受けた本人が自分の状態を知り、次の行動を選べるようになっています。

安く集めることと、良い人を集めることは両立する

集客コストを下げると質が落ちる。この二択は、多くの現場で前提として受け入れられています。

しかしこの教室が変えたのは、コストでも媒体でもなく、登録する理由そのものでした。特典が欲しいから登録するのではなく、自分の状態を知りたいから登録する。理由が変われば、集まる人が変わります。

自社の見込み客が、気になっているのに確かめられずにいることは何でしょうか。

ADwith株式会社 代表 西川将吾
ADwith株式会社 代表 西川 将吾

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