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入会しなかった1,000人に手紙を送った。「恥ずかしい思いをしたことはありませんか」の一文で300人が戻り61人が入会したインドアゴルフの話

売上を伸ばしたいとき、多くの会社は新規客を集めようとします。広告を増やし、媒体を増やし、認知を広げる。

ただ、その前に確かめておきたい場所があります。過去に一度来てくれたのに、契約に至らなかった人のリストです。

あるインドアゴルフ施設は、そこに1,000人以上を眠らせていました。手紙を送ったところ、300人が戻り、61人が入会しています。

眠っていた1,000人のうち、300人が戻り61人が入会

お試し後に入会しなかった1,000人以上へダイレクトメールを送り、300人が再来店し61人が入会した

この施設の現会員数は200人でした。一方で、過去にお試し体験に来たものの入会しなかった見込み客が、1,000人以上たまっていました。

この層に対して、ダイレクトメールで再アプローチします。結果、300人が再来店し、そのうち61人が入会しました。現会員200人の施設が、眠っていたリストから会員を3割増やした計算になります。

送った手紙に書いたこと

手紙の書き出しは、こうでした。

男性で250ヤード飛ばせなくて、恥ずかしい思いをしたことはありませんか?

そのうえで「レッスンプロが250ヤードを確実に飛ばすための方法を無料でアドバイスします」という明確なオファーを提示しました。

断られていたのではなく、踏み切れなかっただけ

完全な新規客と、一度体験済みの見込み客の違い。後者はすでに信頼関係のベースがある

体験済みの人は、新規客とは違う

一度お試しに来たのに入会しなかった人は、集客において非常に価値の高い層です。

完全な新規客と違い、すでにサービスや雰囲気を体験済みだからです。入会しなかったのは「興味がなかった」からではなく、「そのタイミングでは踏み切れなかった」というケースが多く含まれます。適切なきっかけさえあれば、転換できる可能性が十分に残っています。

「得したい」より「恥をかきたくない」

ただし「また来ませんか」と声をかけるだけでは動きません。ここで効いたのが冒頭のコピーです。

「250ヤード飛ばせなくて、恥ずかしい思いをしたことはありませんか」は、機能の訴求ではありません。ターゲットが実際に味わった悔しさや恥ずかしさに、直接語りかけています。

人は「得をしたい」という気持ちよりも、「恥ずかしい思いをしたくない」「損をしたくない」という感情のほうが行動につながりやすいとされています。このコピーは、そこを正確に突いています。

呼び戻した当日に、変化を体感させる

もうひとつ欠かせないのが、来てもらった後の設計です。

再来店した300人に対しては、常駐するレッスンプロが一人ひとりのスイングを確認し、腰の使い方や体の回転など、具体的な改善点をその場で伝えました。多くの人がその日のうちに飛距離の伸びを実感し、「このまま続けたい」という気持ちが自然に生まれています。

感情で呼び込み、体験で決断させる。この2段構えが揃って、61人の入会につながりました。

打席の並ぶ屋内練習場と、クラブを握る手元

その結果…

新規の広告を打つことなく、眠っていた見込み客から61人が入会しました。現会員200人に対して、3割を超える増加です。

【独自考察】「反応がなかった人」を捨てているだけかもしれない

未入会リストは、最も安い顧客候補

この事例で最も見落とされやすいのは、リストの経済性だと考えています。

この1,000人は、過去に広告費をかけて集め、店舗まで足を運ばせ、体験まで提供した相手です。すでに投資が終わっている顧客候補にもかかわらず、フォローされないまま放置されていました。

新規客を1から集めるのに比べれば、再アプローチのコストは郵送費程度です。にもかかわらず、この層へのフォローをしていないビジネスは非常に多く存在します。

人は得をしたい気持ちより、恥をかきたくない気持ちで動く

呼び戻すだけでは足りない

もうひとつは、この施策が2つの部品でできている点です。

感情に刺さるコピーは、あくまで来店を作る部品です。もし来てもらった当日の体験が伴わなければ、以前と同じ理由でまた入会に至りません。一度断った相手をもう一度呼ぶなら、前回と違う何かを見せる必要があります。

この施設は、その「違う何か」を割引ではなくプロの指導に置きました。だから、その日のうちに変化が起き、決断できたのだと考えられます。

【応用編】眠っている見込み客を呼び戻す3ステップ

未入会リストを整理し、感情に響くコピーで送付し、再来店時にその場で成果を体感させる手順

1. お試し後に未契約の人のリストを整理する

体験に来た、資料請求した、相談に来た。契約に至らなかった人の名簿がどこかに残っていないかを確認します。多くの場合、誰も見ていないまま蓄積されています。

2. 感情に響くコピーで送る

「またどうですか」では動きません。ターゲットが実際に経験していそうな場面を、具体的に描写します。恥ずかしかった瞬間、悔しかった瞬間を言い当てられると、自分のことだと感じてもらえます。

3. 来店当日に変化を体感させる

呼び戻すだけで終わらせず、その日のうちに成果を感じられる体験を用意します。ここが前回との違いになり、決断の理由になります。

他業種での例

フィットネスジムなら、退会者にスタッフによる無料フォーム指導を案内する。英会話スクールなら、体験後に未入会の見込み客へ講師との無料模擬会話セッションを提案する。料理教室なら、お試し参加後の見込み客に人気メニュー限定の無料体験レッスンを用意する。

いずれも、来てもらった当日に「変わった」と感じられるものを置いています。

新規を集める前に、名簿を見返したか

会員が増えないとき、広告を増やすのは自然な発想です。

しかしこの施設が持っていたのは、現会員の5倍にあたる見込み客の名簿でした。断られたのではなく、そのとき決められなかっただけの人たちです。

自社にも、一度来てくれたまま連絡が途切れている人のリストが残っていないでしょうか。

ADwith株式会社 代表 西川将吾
ADwith株式会社 代表 西川 将吾

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