「食べすぎ」でも「運動不足」でもないと言い切った。原因の思い込みを覆す投稿でフォロワー6万2千人を集めた個人トレーナーの話
SNSで発信しても反応がない。役に立つ情報を出しているのに、フォローされない。よく聞く悩みです。
原因のひとつは単純です。人は「いい情報」ではフォローしません。「知らなかった」と思ったときにフォローします。
40代以上の女性向けに下半身ダイエットを専門とする個人トレーナーは、この一点だけを徹底しました。広告費を一切使わず、フォロワーを6万2千人まで伸ばしています。
広告費ゼロでフォロワー6万2千人、SNS経由の売上は月300万円

このトレーナーはピラティス系の個人事業者で、コンセプトは「40代以上の女性の下半身痩せ」に絞られています。
広告費はまったく使っていません。それでフォロワーは6万2千人、SNS経由の売上は月300万円で安定しています。すべての投稿が、ある一つの型で作られていました。
その型は「原因書き換え」
投稿はこの流れで組み立てられます。
まず「40代の下半身が痩せにくいのはなぜ?」のように、ターゲットが日頃感じている問題を冒頭に置きます。次に、多くの人が信じている「よくある原因」に触れます。食べすぎ、運動不足といったものです。
そこで切り返します。「実は本当の原因は〇〇だったんです」。新しい原因を提示し、丁寧に説明することで「あ、そうだったんだ」という発見を生みます。最後に「だからこの方法が効く」と解決策を示し、詳しく知りたい人を登録や講座へ誘導します。
同じ問題でも、原因の認識が変われば行動が変わる

頭痛という同じ問題で、3人が別の行動を取る
なぜ原因を書き換えると行動が変わるのか。分かりやすい例があります。
「頭が痛い」という同じ問題を抱えた3人がいるとします。ある人は風邪薬を飲みます。原因が風邪だと思っているからです。別の人は頭痛薬を飲みます。気圧の変化による片頭痛だと思っているからです。もう一人は病院へ行きます。転んで頭を打った直後で、脳に何か起きているかもしれないと考えているからです。
問題は同じなのに、取る行動がまったく違う。行動を決めているのは問題ではなく、本人が信じている原因です。
原因を書き換えると、解決策も入れ替わる
ここに集客の鍵があります。
ターゲットがすでに「これが原因だ」と信じているものに対して、「実はこういう原因もあるんですよ」と新しい視点を提示する。すると「え、そうなの?」という発見が生まれ、「じゃあどうすればいいの?」という次の疑問へ自然につながります。
その流れに乗せて解決策を示せば、フォロワー獲得から売上まで一本の線でつながります。原因を書き換えた人が、その原因に対応する解決策の持ち主になるからです。

その結果…
広告費をかけずにフォロワーは6万2千人まで伸び、SNS経由の売上は月300万円で安定しました。投稿の型を変えただけで、サービスの内容も価格も変えていません。
【独自考察】情報が価値になるのは、思い込みを崩したときだけ
「知っていること」は、いくら並べても流される
この事例で考えたのは、有益さと反応は別物だということです。
なんとなくスクロールしていて、知っている内容が流れてきても、指は止まりません。正しくても、役に立っても、既知であれば通り過ぎます。反応が生まれるのは「え、そうだったの?」と手が止まった瞬間だけです。
つまり発信の質を上げるとは、情報を増やすことでも、正確さを高めることでもありません。相手がすでに持っている認識と、どれだけずらせるかという話になります。

難しいのは新しい原因ではなく、思い込みの特定
もうひとつ、実践する上での勘所があります。
この型で失敗するのは、提示した「新しい原因」が意外でなかったときです。「知ってた」と思われた瞬間、発見感は生まれません。
そして意外かどうかを決めるのは、こちらの知識の深さではなく、ターゲットが何を当たり前だと思い込んでいるかの把握です。専門家ほど、この見積もりを誤ります。自分にとって基礎的な話が相手には新鮮であることもあれば、逆に自分が新発見だと思っていることが相手には常識であることもあります。
だから作業の順番は、新しい原因を探すことからではありません。ターゲットが当たり前だと思っていることを一度書き出し、そこを崩す視点を探すことから始まります。
【応用編】「原因書き換え」で投稿を作る3ステップ

1. ターゲットが信じている「原因」を書き出す
悩みそのものではなく、その原因として何を信じているかを書き出します。下半身が痩せない理由は食べすぎと運動不足だ、といった具合です。ここが出発点になります。
2. 新しい原因を、理由とセットで提示する
「実は本当の原因は〇〇です」と言い切るだけでは足りません。なぜそれが原因なのかを丁寧に説明して初めて、発見に変わります。言い切りと説明はセットです。
3. 解決策を示し、次の行動へつなぐ
新しい原因が伝わると「じゃあどうすればいいのか」という疑問が生まれます。そのタイミングで解決策を提示し、詳細を知りたい人を登録や購入へ案内します。
他業種での例
治療院なら「肩こりの原因は肩ではなく〇〇だった」。税理士やファイナンシャルプランナーなら「節税できない原因は知識不足ではなく〇〇だった」。婚活のコーチなら「出会いがない原因はスペックではなく〇〇だった」。
どれも、相手が信じている原因を一度否定し、別の原因を置いています。
自社の発信は、相手の何を覆しているか
SNSで反応が出ないとき、投稿の頻度や見た目を疑うのが自然です。
しかしこのトレーナーが徹底していたのは、頻度でも見た目でもありませんでした。読み手が信じている原因を、毎回ひとつ書き換えることだけです。
自社の見込み客は、その悩みの原因を何だと思い込んでいるでしょうか。そして、それは本当に正しいでしょうか。