求人・採用 5分で読めます

「稼げます」をやめた。仕事の意味を伝える求人で、採用費が1人約1万円から約2,900円になったポスティング会社の話

給料は高くない。暑い日も、寒い日も、雨の日も外を歩く。

ポスティングは、正直に言えば楽な仕事ではありません。そして、たくさんのスタッフが必要なビジネスです。あるポスティング会社は、求人広告を何度も出してきました。その中で特に費用対効果が高かったのが、今回紹介する方法です。

1人あたりの採用費が、約1万円から約2,900円に

会社のミッションを伝える求人に変えて、1人あたりの採用費が約1万円から約2,900円に

それまでは、1人採用するのに1万円ほどの費用がかかっていました。求人広告の中身を変えたところ、採用費2,900円ほどでスタッフを雇えるようになりました。

変えたのは、求人広告で何を伝えるかです。

待遇で勝負できない仕事に、待遇の求人を出していた

稼げることを打ち出す求人と、仕事の意味を伝える求人の比較

「やればやるだけ稼げます!」に反応がない

この会社では当初、「ポスティングスタッフ大募集!」「やればやるだけ稼げます!」といった求人を出していました。しかし、ほとんど反応がありませんでした。

理由ははっきりしています。ポスティングの給料は、お世辞にも高いとは言えません。この会社でも同じでした。給料などの待遇面をアピールしても、そもそも人は集まらない状況だったのです。

お金だけで来た人は、お金で去っていく

なぜ人は仕事をするのか。ほとんどの人が「お金」を挙げるでしょう。生きていくためにはお金が必要で、働く場所を決めるときの重要な要素であることは間違いありません。

ただ、お金という理由だけでは、仕事は長続きしないことも多いものです。より稼げる仕事を見つけたら、そちらに移ってしまうからです。すぐに辞められて、また求人広告を出す。待遇だけをアピールした集め方では、人手不足の悩みは消えません。

「地域の繋がりを作る」を求人の真ん中に置いた

そこでこの会社は、求人広告の中身を変えました。「地域の繋がりを作る」という会社のミッションを伝えながら、次のようなことを伝える求人にしたのです。

ポスティングは、あなたにとってどんな意味のある仕事なのか。ポスティングを通じて、どんな風に社会の役に立つことができるのか。

いくら稼げるかではなく、この仕事にどんな意味があるかを語る求人です。元ネタはこれを「ミッション型採用」と呼んでいます。

配布バッグにチラシを詰め、住宅の郵便受けに届けるスタッフの手元

集まる人の動機が変わる

採用費が下がっただけではありません。元ネタは、もうひとつのメリットを挙げています。

待遇をアピールすれば、お金のために働く人が集まります。ミッションをアピールすれば、お金だけではなく、ミッションに共感してくれた人が集まります。その結果、より真面目に取り組んでくれる人、より長く働き続けてくれる人が集まっていく、というのです。

【独自考察】給料で負ける会社ほど、意味で勝負できる

比べられる土俵を変える

時給や日給は、求人サイトの一覧で横に並びます。数字で比べられる以上、給料が高くない仕事は最初から不利です。「やればやるだけ稼げます」と書いても、もっと稼げる求人が隣に並んでいます。

一方、「この仕事が地域で何の役に立っているか」は、数字では比べられません。給料で勝てない会社が、給料の話だけをしても勝てない。この事例は、比べられる土俵そのものを変えたのだと考えています。

いくら稼げるかではなく、何の役に立つかを書く

ミッションは、仕事の中身とつながっていること

注意したいのは、ミッションが立派な言葉であればよいわけではない点です。

この会社の「地域の繋がりを作る」は、ポスティングという仕事の中身とまっすぐつながっています。地域のお店の情報を、地域の家に届ける仕事だからです。仕事と関係のない理念を掲げても、応募する人には響きにくいはずです。自社の仕事が誰と誰をつないでいるのかを言葉にするところから始めるのがよいと考えています。

厳しさを隠す言い訳にしない

もうひとつ、仕事の意味を伝えることは、厳しさを伏せることとは違います。元ネタも、給料は高くない、雨の日も配ると、事実をそのまま書いています。条件を正直に伝えたうえで意味を語る。そのほうが、入ってから「聞いていた話と違う」と思われずに済むと弊社は考えます。

【応用編】求人にミッションを書くための3つの問い

会社のミッション、その人にとっての意味、社会の役に立ち方の3つの問い

元ネタのACTIONは、会社のミッションを通して「あなたにとってどんな意味のある仕事か」「どんな風に社会の役に立つことができるのか」を伝えていく、というものです。これを、求人を書く前の3つの問いに分けてみます。

問い1:自社は、何のためにこの仕事をしているか

まず会社のミッションを、一文で言えるようにします。この事例なら「地域の繋がりを作る」です。

問い2:働く人にとって、どんな意味があるか

次に、その仕事が働く人本人にとってどんな意味を持つかを考えます。お金以外に、この仕事を選ぶ理由は何か。そこが求人の中心になります。

問い3:誰の、どんな役に立っているか

最後に、その仕事が社会の誰の役に立っているかを具体的にします。たとえば次のような書き方です(弊社が作った例です)。

「あなたが届けた1枚のチラシで、近所のお店に新しいお客さんが来ます。地域のお店と、地域の暮らしをつなぐ仕事です。」

この3つに答えられたら、給料や勤務時間といった条件はその後ろに正確に書けば十分です。

求人で、何を一番に伝えていますか

給料を上げられないとき、求人を出しても人が来ないのは仕方がない。そう思ってしまいがちです。

このポスティング会社は、求人で伝えることを「稼げる」から「意味がある」に変えました。1人あたりの採用費は約1万円から約2,900円になり、集まる人の動機も変わりました。

自社の求人は、いま応募する人に何を一番に伝えているでしょうか。

ADwith株式会社 代表 西川将吾
ADwith株式会社 代表 西川 将吾

自社に当てはめると、どこから手を付けるべきか。

まずは現状をご相談ください

広告運用・採用マーケティングの両面から、御社の状況に合わせた打ち手をご提案します。

無料で相談する